《国立大学法人法「改正」案の問題点と廃案署名のお願い》(2023年11月1日)


 国立大学法人法のとんでもない「改正」案が国会に上程されました。

 国際卓越研究大学採択大学に合議体を置くとした国際卓越大学法に合わせる改正案のはずが、それとは別基準で規模が大きい大学に合議体「運営方針会議」を置くという内容になっています。
運営方針会議には、中期目標・中期計画や予算・決算に関する事項の決定・決議の権限や、 学長選考について学長選考・監察会議に意見を述べる権限も規定されています。

 以下の通り廃案を求めるオンライン署名が立ち上がっています。
ぜひご署名と拡散をお願いいたします。

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 昨日、国立大学法人法の改正案が閣議決定されて、国会に上程されました。

 大規模国立大に「運営方針会議」設置義務 文科省が法改正案公表 卓越大議論踏まえガバナンス強化 (産経新聞)

 東大や京大など大規模な大学法人に新たな合議体の設置義務など 国立大学法人法改正案 (テレ朝 news)

 

 国立大学法人法改正案 国立大運営方針、合議体義務付け 政府閣議決定 (毎日新聞)

 

 国立大運営方針、合議で 法改正案閣議決定 大規模校対象に (日本経済新聞)

 法案そのものはこちらから確認できます。

 国立大学法人法の一部を改正する法律案 (文部科学省)

 法案は、国際卓越研究大学に採択された大学に求めるとされていた「ガナバンス改革」(最高意思決定機関としての合議体の設置)を政令により定める大学にも義務づけるというビックリの内容です。

 しかも、政令により(東北大のほかに)京大、名古屋大、阪大、東大が指定されるとのことです。

 現時点では5校限定ですすが、いくらでも拡大可能である上に、公立大学や私立大学に対しても定款の改正を求めることを予定しているようです。

 「ガナバンス改革」の対価として示されているのは、大学債を発行しやすくすること、土地の貸し付けを文科大臣の認可制から届け出制にあらためることです。

 これからも運営費交付金は減っていくと考えよ、お金が必要であれば債券という名の借金をしてなんとかしろ、債券の利払いや償還が困難になりそうな場合には土地を貸し付けて稼げ、ということだと考えられます。

 その前提には、運営費交付金のような基盤的経費を増やすつもりはない、足りないお金は大学の「自己責任」でなんとかしろという大前提が横たわっています。

 今までもいろいろひどい法案はありましたが、今回の法案はさらにひどい内容と思います。

 国際卓越研究大学法案制定の際に立ち上げた国会対策ワーキンググループを中心として声明案を考え、オンライン署名を立ち上げました。

 大学の自治に死刑を宣告する国立大学法人法「改正」案の廃案を求めます ―「稼げる大学」への変質を求める大学政策の根本的転換を!

 11月7日に予定している記者会見までに、なるべくたくさんの署名を集めたいと思います。ぜひ拡散にご協力ください。