《令和5年度から特に初等教育教員養成課程が変わりますが‥‥》(2022年7月19日)


 本学HPや公式You Tube チャンネルに、令和5年度からの初等教育教員養成課程の新プログラムについての説明が出ています。

 取得可能な教育職員免許・資格

 学長からのメッセージ・大学入試概要

 大きなポイントは、初等教員養成課程の学生が、中高教科の教員免許を取得できるか否かということですが、「取得可能」ということの意味合いを本当に理解できる方はどれほどいらっしゃるでしょうか。

 学生が「目指す教員像に応じた4年間の学びのプログラムを皆さん自身でデザインすることができるようにします。」とあります。

 これは本学が長きに渡って行っていた初等教員養成課程の教科ごとの選修制とは、異なる制度です。
かつての初等教員養成課程の選修制は、カリキュラム内に、中高免許取得のための科目がほぼ組み込まれていました。そのため、初等の学生は自分の選修のカリキュラムを履修することで、中高免許がほぼ取得できました。

 令和5年度からの新制度において、「学生にカリキュラムデザインさせるプログラム」というと、聞こえはいいです。が、その下をよく読むと、「卒業要件を超える単位数を修得し、所定の単位数を満たすことで、取得できる教員免許状(副免)があります。ただし、副免取得に関連する科目の履修にあたり所定のテストを課すことがあり、また、4年間での取得は保証しておりません。」と書いてあります。

 これは大学としては中高免許を保証するものではない、という意味なのでしょうか?

 新プログラムのカリキュラムは、説明の中で提示されていません。
この点を曖昧にしたままでは、受験生に誤った期待をいだかせるか、真剣に考える受験生の不安をあおることになります。

 説明の中で出てくる中学校2種免許とは、短期大学卒業で取得できる教員免許であり、中学校1種免許を取得すべき努力目標がついている教員免許であることの説明もありません。

 高等学校については、2種免許はありませんので、2種免というのは、中学校のみということになりますが、それもわかりにくいです。

 大きな問題を孕んだ、令和5年度からの改革です。
かつての初等教員養成課程の選修制に戻せば、これまでの問題は解決できるはずなのです。が。 そうすると、選修制をなくし、一括型にした改革すべてが「失敗だ」と言われることを恐れているのでしょう。

 今回の改革案について、福岡と九州、日本の将来の教育に関する見通しを立てた改革を、真に目指しているのでしょうか。