《3月25日に卒業式が行われました》(2021年3月28日)


 本学の卒業式は、3月25日に、午前と午後の部に分かれて行われました。

 卒業式を終えた学生から、いろいろな声を聞くことができました。
初等教員養成課程を卒業したある学生からは、
「自分は小学校免許のみならず、中学校高等学校1種免許を頑張って取ることができて、本当によかった。内示を受けた小学校の校長先生にお会いした時、中学校の免許を持っているかと質問されて、中学校高等学校の免許を取りましたとお答えしたら、これから大いに期待していますよ、と言われた。大学は副免に関して、2種免までというように言っているが、おかしいのではないか。小学校免許しか取れなかった友人は、今はそのことの意味が分からないと思うが、あとになって後悔するのではないか。自分は免許も取得し、教科内容も深く学ぶことができて、本当によかった。」
という声を聞きました。

 まさに、我々の危惧を言い当てています。
2021年度から、中学校は新学習指導要領のもと、教科書が一新され、2022年度から、高等学校の教科書も改訂されます。教科内容は難化し、小中9年間を通しての学びのプロセスは、さらに重要性を増します。高等学校3年間を含めて、12年間の教育のプロセスもさらに注視されることとなるでしょう。

 本学では、2016年から、初等の選修制が廃止され、初等教員養成課程の学生は基本的には小学校免許以外の免許取得が、それまでと比べて極端に難しくなりました。すでに、小学校での教科担任制や、英語教科化が既定路線として予測されていたのにも拘わらずです。何より、本学は長きに渡り、それぞれの選修(専門的に学ぶ分野)と連動する形で、小学校免許以外の学校種免許の取得を可能とするカリキュラムのもとで、卒業生を送り出してきたにも拘わらずです。

 元学長、前学長、現学長(元学部長)は、これまでの大学経営をどのように総括されるのでしょうか。小中9年間を見通したカリキュラムに今後改革すると、今から言うのでしょうか。急いでカリキュラム改革をしても、文科省の認可を受け、受験生に周知するのに、一般的にはかなりの時間を要します。そして、実際に新カリキュラムで学んだ学生が教壇に立つのは、相当先のこととなるでしょう。その頃、教育界は新たな段階に入っているやもしれません。