《本学の教員養成はどうなるのか?》(2020年7月29日)


 福岡においても、新型コロナの感染者数が急増していますが、本学は一定数の対面授業を継続しています。幸い感染者は出ていませんが、心配なところです。

 さて、今後の教員養成の方向性について、6月の中央教育審議会、教員養成部会において、「大学において、小学校、中学校の教員免許を取得する際に、教育実習を小中それぞれで行う制度を改めて、共通化することを認める」案が出されました。小学校中学校の教員免許併有を促進するもので、令和4年度から小学校に本格的導入される、5,6年生の教科担任制度に対応するためのものとも言えます。

 本学の教員養成カリキュラムについては、初等教員養成課程において、平成28年度入学生から、教科の選修制が廃止されました。学生にとっては、それまでのカリキュラムにおいて、卒業時に小学校教員1種免許状とともに、ほぼ中学校高等学校教員1種免許状を取得できたことと比べると、大きな変革となりました。多くの反対がありましたが、元学長の強い意向により、改革が遂行されました。

 現在、初等教員養成課程の学生は、中学校2種免許を取るために、希望する教科のテストを受けて、一定の成績をクリアした者だけが、中等教員養成課程で開講されている免許のための授業を受講することができます。中学校2種免許を取ることはこのテストをクリアし、必要単位を取得することで可能ですが、基本的には中学校高等学校1種免許を取得することは認められていません。また、中教審の会議の中でも出たように、義務教育9年間を見通すカリキュラムが推奨されてきているのに対し、本学の場合はそれとは異なったカリキュラムとなっています。

 本学の教員養成は、文科省が推奨する小学校中学校免許併有促進に対して、今後どのような方策を採っていくのでしょう。初等選修制は廃止すべきではなかったと感じている人も多いのではないでしょうか。