《教育実習ハラスメント問題に関する第三者委員会設置の要請文書について》(2020年4月20日)


 教育実習ハラスメント問題に関する第三者委員会設置要請を行った際に学長宛提出された要請文書の内容について、情報をいただきました。

 現在、大学は新型コロナ対策のための遠隔授業の実施や、その関連事項で多忙を極めていることと思います。

 しかしながらこの問題も、学生指導に関わる重大な案件です。何より学生からの訴えがあった時点で、大学が速やかに対応していれば、現在の厳しいタイミングでこのような深刻な問題を抱えることはなかったはずです。
リスクマネイジメントは、何より即応性が重要なのではないでしょうか。

 「附属学校における教育実習ハラスメント問題に関する第三者委員会設置の要請について」

 3月27日付で福岡教育大学附属学校での教育実習中に起きたセクシュアル・ハラスメントに対する懲戒が発表されました。当該教員への懲戒はなされましたが、大学及び附属学校における対応については種々の問題が残されています。

 大きな問題の一つは、本学にハラスメントの防止・対応に関する規程や指針があるにもかかわらず、当該案件がハラスメント対応の手続きを踏まないまま処分に至っているであろうことです。学生たちの被害に対するこれまでの大学と附属学校の対応の不備、処分が適切になされたかについての疑問、大学と附属学校の管理責任や対応についての責任が不問に付されていることなどを、私たち教職員は大変危惧しております。

 被害当事者である学生たちに対して、ハラスメント被害についての実態や意見を大学が十分に聴取した上で、何をハラスメントと認定した上での当該教員への懲戒決定なのか、疑問が残ります。本来、ハラスメント調査は、申立てを行った被害当事者から話を聞くことから開始することになっていますが、なされていません。

 実習後すぐに被害当事者である学生たちは大学に相談に行きましたが、大学からはハラスメント案件としての受付をしないまま対応するかのような回答があり、にもかかわらず3か月以上放置された状態でした。

 令和2年1月、外部にこの問題が明らかになって初めて、大学側から呼び出しを受け、学生たちが改めてハラスメント申立てをした形です。ハラスメントの申立てに対する大学の対応にも問題があり、これ自体が深刻な二次的な加害となっています。

(被害に関わる内容は略)

(附属学校に関わる内容は略)

 当該教員についても、減給処分の後、どのような形で教育に携わり、附属学校の生徒や教育実習に対してどう対応する形になるのかについても、生徒・保護者・附属学校教員・学生・大学教職員に対して説明をしていただくことも要望いたします。

 本学の附属学校においては、教員から教育実習生に対しての深刻なセクシャル・ハラスメントが行われた過去があり、種々の改善が図られてきましたが、今回このような重大なハラスメントが繰り返され、大学と附属学校の対応の不備や責任逃れともみなされる状況のまま、当該教員の減給(1日)処分のみが発表される状態では、今後安心して教え子を教育実習に送り出すことはできません。

 福岡、九州、日本の有為な教育者を育成する教員養成大学としての本学が真にその道を遂行するために、まずは被害当事者である学生たちの救済を考えていただきたいと考えます。我々はそのために必要な客観的な調査を行う第三者委員会の設置を要請し、本件の全貌を明らかにするとともに、本学の責任の所在を明らかにすることを強く求めます。あわせて今後このようなことが二度と起きないよう、適正な再発防止策の整備を要求いたします。

 

 福岡教育大学の教育実習ハラスメント問題を追及する教職員の会
 総数  77名(令和2年4月3日 現在)

 世話人 秋永 優子・江頭 理江・喜多 加実代・堀 雅子