《学長選の残念な結果》(2019年11月30日)


 大変残念な結果の報告になりますが、11月29日に学長候補が公示され、飯田候補が学長候補として指名されました。

 学長選考会議

 本FBに教員からの質問書をUPしましたが、飯田候補に対しては「不当労働行為を『労働組合法に関するものであり人権侵害に関するものではない』と述べ」「その認識の誤りを指摘し、改めて議長の考えを問う質問に対しても」「自らの人権に関する見解を構成員に明確に示さなかった」と指摘がありました。また「救済命令や判決により幾度も不当労働行為の認定がなされたものの、何ら対応しないままこれを否認し」ました。それは、「国立大学法人福岡教育大学危機管理規程」「危機管理基本マニュアル」履行の点からも問題があるとされています。

 その飯田候補を学長選考会議は「人格高潔」としたわけです。

 そもそも、櫻井現学長が関わった不当労働行為を大学側が認めず最高裁まで訴え、それが棄却されて不当労働行為が認定された後も、学長選考会議は何の対応もしなかった点で、現学長が「人格が高潔」で「教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる」(学長選考規程)という判断をしつづけてきたとも言えます。

 また、教授会運営についても規程上からも疑問を呈され、教育研究上の課題への対応不備が指摘された飯田候補が、「国立大学改革の推進において学内の意見を集約し、リーダーシップを発揮する資質、能力を備えている」とされたことは、もはや異世界の発言のような感さえあります。

 実質的には学長が指名する人々のみから選ばれる学長選考会議(学長が指名する教育研究評議員からの選出、及び教育研究評議会の意見を聞いて学長が任命する学外委員)の問題性が今回も明らかになったということでしょう。教員間のハラスメントなどが問題となっている昨今、将来の教員を養成する大学がこのような事態になっていることを私たちは憂慮します。

 人権問題との関連で言えば、12月5日には、「原則全員出席」の人権教育推進研修会が開かれます。不当労働行為については文書の手交と掲示とで既に対応済みとされ、教授会などで度々救済の要望の声が上がっても放置されているなかでの実施です。学長のハラスメントについても本学のハラスメント防止・対応に関する指針に定まっていないとして対応しないことを結論した人権教育推進委員会がこれを主催します(この指針の解釈に対しても、我々は異なる見解をもっていることを付言します)。

 この研修会は、不当労働行為のずっと以前に、本学で講演を行った外部講師の差別発言に本学で適切な対応ができず「人権課題にかかる自らの認識を深めるとともに、自他の人権を守る実践行動をとることができるようになるため」実施され、それがこんな状況のなかで続いているのです。

 この研修会の講師を務められるのが、“本学の人権教育推進”の参与で、現在「福岡県教育庁教育振興部人権・同和教育課課長補佐」である方だということにも、我々は暗澹たる思いを抱かざるを得ません。