《福岡県教員採用試験で変更がありました》(2019年3月18日)


 2020年度の福岡県教員採用試験の内容に変更が発表されました。

 四点の変更がありますが、 うち二点は、主に英語の複数免許や小中併願等に関するものです。

1. 特定の免許等による優遇措置の実施
 以下の免許等を有する方に対し、第一次試験の専門試験の得点に1割程度の点数加算を行います。
 ・ 小学校教員志願者について、中学校教諭(英語)又は高等学校教諭(英語)免許状を有する方
 ・ 小学校教員志願者について、実用英語技能検定準一級程度以上合格した方

2. 併願制度の変更
 中学校教員志願者は小学校教員(一般)を併願可能とします。

 2020年度福岡県公立学校教員採用候補者選考試験における変更点について

 本学では、2015年から初等教員養成課程の選修制の廃止により、初等課程学生の中高教員免許の取得は非常に難しくなりました。
以前のカリキュラムでは、初等課程の多くの学生が中学校1種、高校1種免許を取得していました。
現在は、希望教科のテストで一定水準に達した学生だけが、中学校の2種免許(短大卒資格)を取るための授業を受講することを許可されます。

 しかしながら、中学校1種免許(大学卒資格)の取得は限りなく困難ですし、高校1種免許も取得することはできません。
合わせて、中等教員養成課程の学生が、小学校教員免許を取ることも難しくなりました。
改革についての議論では、中等課程の学生に小学校免許を取らせる方向も議論すべきであるとの提案もありましたが、取り上げられることはありませんでした。

 また、本学では外国語の必修の授業が4年間で2コマにカットされましたので、英検準1級を取ることは、容易ではありません。
課外の英語習得院の受講生数も少ないようです。

 小中(高)の複数免許取得の加点は、他県ではすでに始まっていました。
2015年改革の折にも、その方向性はすでに見えていました。
そもそも本学では長きにわたって、初等課程の学生は中高の免許を取得することが可能でしたし、 中等課程の学生も、小学校免許を取ることが、今より簡単に認められていました。

 しかしながら、本学執行部は、複数免許取得を困難にする方向に、舵を切ったのです。
これが執行部の言う「高度な経営判断」なのでしょうか。

 本学は、教育大学でありながら、学生が多くの免許を取ることが非常に困難な大学になりました。

 初等選修制の廃止を強行し、この3月末に本学を退職する寺尾氏が、あるところで、福岡県の教員採用試験変更に関して、 (複数免許取得に向けて)「みなさん、がんばってください」と発言されたそうです。

 来年度は英語だけですが、複数免許取得の方向性は一気に加速するかもしれません。
しかしながら、本学の学生は、この優遇措置を受けることが難しい状況にいます。