《英語習得院はどの程度開講されているのか?》(2018年11月17日)


 英語習得院にかかわる問題は、これまで何度も指摘してきました。
正規の英語カリキュラムを6コマから2コマに激減させ、大学執行部の旗振りで立ち上げた課外学習組織の英語習得院ですが、受講生数減の噂が今年も聞こえてきます。

 英語習得院のシラバスや後期時間割が、大学HPにアップされています。
時間割からは英検2級講座を除いて、全部で18クラスが開講されていることがわかります。
習得院の修了証を出すための要件である、2学年分の学生を収容するクラス数としては、全部で18クラスしか開講しないというのは、あまりにクラス数自体が少なすぎます。

 初等教員養成課程の学生が基本的に受講を半ば義務付けられているとして、400人弱×2学年、800名弱の学生を、18クラスで収容できるはずもないのです。

 一方、後期に受講学生が激減しているならば、逆に18クラスも開講する必要があるのか、一クラスあたり何名の学生で開講しているのか、そもそも実際に開講されているのか、大いに疑問です。

 施設整備を含めると、億を超える多額の資金が投入されてきたと思われる英語習得院ですが、具体的にどのような成果が上がっているのか、見えてきません。
授業をカットしてまで、このような学外組織を作った意味が、果たしてあったのでしょうか。

 国際交流も破綻寸前と言わざるを得ません。
今年度、英語圏への協定留学を申請できるのは、北アリゾナ大学とリンネ大学だけです。
両大学とも、TOEFLは70点を超える点数が必要ですが、時間割を見る限り、学内では「英検2級講座」は開かれているものの、「TOEFL講座」は開かれていません。以前は、教員によって定期的に「TOEFL 講座」が開かれていたことと較べると、この点も甚だしく後退している状況です。