《本学の教員就職数は確かに多かったのですが・・・》(2018年2月26日)


 本学HPに以下の記事が掲載されています。

 「小学校等の正規教員として採用された人数が全国の国立教員養成大学・学部の中で二番目となりました。」

 本学は全国の教員養成課程の中でも、学生数が多いわけですから、採用数が多くなるのはある意味、当然でもあります。

 福岡県の教員採用予定数は、ここ最近多い状態で推移しています。
 過去3年間の小学校の教員採用予定数を比較してみましょう。

福岡市北九州市福岡県
平成28年190名105名390名
  29年235名105名500名
  30年300名105名600名

 平成29年度は、小学校教員採用予定数は福岡県全体では840名であり、採用予定数が多かったことがわかります。 ちなみに30年度は、1005名の採用予定数でした。

 他の教育系単科大学の状況を見てみましょう。
たとえば大阪教育大学の教員養成課程の卒業生は、本学と同規模の554名であり、合格者数は217名です。 大阪地区は、すでに教員採用予定数が減少に転じているため、合格者数は伸びにくい状態です。

 福岡地区も現状の採用予定数を維持し続けることは難しいでしょうから、今後も本学が合格者数を伸ばし続けることは不可能でしょう。

 しかも、本学の場合、28年度入学生からは、すべての課程を教員養成課程に変えてしまったために、31年度からの卒業生数は現状より多くなるわけで(定員は615名)、母数が大きくなることで、就職率は当然低くなることが予想されます。

 それに何より、29年3月の初等教員養成課程の卒業生は、初等の選修制のもとで学んできた学生であり、小学校1種免許とともに、多くの学生は選修教科等の中高1種免許を取得しました。

 本学は平成25年度に、専門教科も学びつつ、小学校全科に対応できる、カリキュラム改革を行いました。 その第一期生である彼らは、非常によい結果を出したことがわかります。

 しかしながら、大学執行部は、この改革の成果を検証することなく、初等教員養成課程の選修制を廃止し、中高1種免取得を不可能なものとしました。

 このような大学経営は間違っていませんか。