《初等教員養成課程の学生は本当に免許を取れるのか》(2018年2月11日)


 2月6日(火)の教授会において、複数の教員から以下の内容の質問がありました。

 質問:西日本新聞の記事について、学内掲示板に「教員免許は取れるのだ」という主旨の、掲示が出された。初等選修制のもとで、中高1種免許が取れた、という状況と、選修制がなくなった28年度生入学以降の初等学生に対して「教員免許は取れる」ということとは全く状況が違う。本当に教員免許は取れるのか。

 学部長の返答:「西日本新聞の記事は、教員免許が取れないという誤解を生む。学生が、所定の教科の学力テストを受けてパスすれば、教員免許は取れる。」

 質問:「教員免許が取れると言っても、可能性として中学2種免が取れるということ。それも本当に取れるのか。」
学部長の返答:「所定の教科学力テストを受けてパスすれば、取れる。」

 質問:「1種免を取れるようにすればいいのではないか」
学部長の返答:「中等免への道は開かれている。(それが証拠に)教科テストがある。」

 質問:「なぜ教職教育院の寺尾院長名で掲示を出すのか。なぜ学長名で出さないのか」
学部長からの明確な返答はなし。

 質問:「文科省の聞いたことがない、というコメントを、寺尾院長の掲示では、他に例を見ない先進的取り組みとポジティブに評価。これについて学生も疑問を持っている。どういう真意なのか。」
学部長の返答:「文科省の担当者に、新聞社へのコメント内容を確かめた。それによれば、他に例を見ない独自の取り組みという意味で、コメントしたとのことである。否定的な意味ではない」

 質問:「本当に質問したのか。質問者もあらためて文科省に質問してよいか。また先ほどの説明を、あらためて学生宛てに掲示してほしい」
学部長の返答:「私が決めることではない」

 このやり取りの中で、学部長は「免許は取れる」と明言しました。寺尾院長名の掲示板も、「教員免許は取れます」という表現になっており、取れるとしても「中学校教員2種免許」しか取れないことは説明されていません。

 中学校2種免許とは、短大卒業時に取れる中学校教員免許です。ちなみに、高校2種はありません。しかも、この2種免許というのは、戦後の教員不足を補うために創られた教員免許で、講習等を受けて「1種免に上げること」という努力目標が付されています。宮内副学長の説明にあるように、意図的に副免を取りにくくしたということでしょう。

 また、「教科テストをパスすれば免許が取れる」ということも、説明不足です。選修制のもとでは、その選修制ごとの入学試験に合格すれば、中高の1種免許を副免として履修できるカリキュラムになっていました。しかし、入学後に再度教科学力テストを行なって履修することにしたために、以前よりも履修時期も遅くなり、また副免を希望する学生が希望科目の副免の授業を履修できるかが入学時点では明らかでなくなりました。

 それにしても、本学が、全国の教員養成系大学・学部に例を見ない改革をする意味はどこにあるのでしょうか。
他の多くの大学は、「教員免許を意図的に取りづらく」するのではなく、「教員免許所得の門戸を広げる」改革にシフトしているのですから。