《果たして福岡教育大学で、小中免許が同時に取れるのか?》(2018年1月31日)


 26日付西日本新聞朝刊で、本学の初等教員養成課程で小中免許の同時取得が難しくなったことに関する、学生からの不満の声が上がっている旨の記事が出ました。

 そもそもこの問題については、我々は何度も繰り返し指摘してまいりました。

 例えば2017年12月13日付「小中一貫教育を推進する地域にありながら、本学では小中教員の1種免許状を両方取得することができなくなりました・・」において、小中一貫教育を推進する宗像市にある大学ながら、本学で小中1種免許を同時に取得することができなくなったことを述べています。

 「初等・中免許関連」
のなかで,特に次の記事を読まれると,今回の報道の内容についてより詳しい理解が得られます。

 「初等教育教員養成課程の免許取得に関する続報(2016年7月7日)」
この記事は,平成28年度入学生に対して中等免許取得の制限を明確に周知していなかったために,混乱が生ずるであろうことを予想しています。

 「結局,初等の学生は中高免許を取れるのか,取れないのか?(2016年7月22日)」
この記事は,平成28年度以降の初等の学生が「中高免許を取りにくくなった」ことの具体的な状況を詳しく説明しています。

 「初等教員養成課程のカリキュラムをこれまでと比較してみます(2016年8月4日)」
この記事では,免許が取れなくなった原因として,カリキュラムの大幅な変更について例を挙げて説明しています。

 大学側はこの西日本新聞の報道に対して、「本学初等教員養成課程(幼児教育選修をのぞく)で取得できる免許について」 というお知らせを出し、現在でも中学校二種免許については、取得希望学生に「入学後の教科基礎学力テストによる学生選択教科の基礎学力の確認等を行ったうえで」2種免取得の道を開いている旨、弁明しています。
これにより、取得希望学生の6割程度が、必要な科目を履修しているとも、説明されています。

 つまり、本学の28年度入学生以降の初等教員養成課程の学生は、学生の学力の問題もあるが、希望学生の6割しか中学校2種免のための授業は履修できないこと、 また、中学校1種免許、高等学校1種免許は、本学で取得できなくなったことを、大学側も明確に認めているわけです。

 今回、新聞に寄せられた学生の不満や心配が当然起こるであろうこと、また学習指導要領の改訂を踏まえたとき、執行部が主導しようとする免許を狭める方策は、社会状況にそぐわないことなど、多くの反対意見がこれまで何度も繰り返し学内で出されましたが、却下されてきました。

 学内でもっと議論を重ねるべきであるという強い要望も出されましたが、カリキュラムの問題については、教授会で、議題として取り扱われませんでした。

 そもそも、学生の基礎学力をきちんと見極めることを重視するのなら、選修制のもと、入学試験段階で、基礎学力を見極める必要があるのではないですか。

 28年度以降の初等学生が「中学免許を取れるのか」と真剣に問いかけていることに対し、「いや中学2種免は、学生が希望して、試験をパスすれば、6割程度は取得できるのだから問題ない」と安易に返答しているにすぎません。

 なぜ中学2種免なのでしょうか。
本学HPには、中高1種免取得について、「取得がきわめて困難」と記載されていますが、「きわめて困難」という文言は、実に「きわめて曖昧」で、学生たちの中には「頑張ればとれるに違いない」と、努力を続けようと考える人たちもいるでしょう。

 しかし、西日本新聞の記事にもあるように、大学は中高免許を「意図的に取りづらく」したことを認めており、中高1種免許は「きわめて困難」ではなくほとんど「不可能」であることを説明すべきではないでしょうか。

 「子どもによりよい授業をすること」が教員には何より求められます。
それが「よりよい学級経営」につながります。
クラスをまとめる力とは、そういうことなのです。
大学執行部が学内での議論を拒否し続けた結果が、今の状況に至っているのではないでしょうか。