《「国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告書」が出ました。(その1)》(2017年9月29日)


 「教員需要の減少期における教員養成・研修機能の強化に向けて―国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告書」が出されました。

 報告書の冒頭では、平成27年12月に中央教育審議会から以下の重要な3つの答申が出されたことが記されています。
①教員の養成・採用・研修の一体化改革
②学校の組織運営改革(チーム学校)
③学校と地域の連携・協同の推進

 さらに、学習指導要領の改訂、国立大学第3期中期目標期間の開始、教職大学院のほぼ全都道府県設置、少子化の進行、教員需要の減少、の問題を含めて、平成28年8月から、将来の教員養成大学・学部、大学院等の将来のありかたについて、有識者会議が議論を続け、この最終報告書に至ったということです。

 この中では国立教員養成大学・学部等のこれまでの取り組みや課題、今後の対応策が提案されていますが、最も我々が気にかかる問題の一つは、将来の教員需要減です。報告書の中でも、教員需要は全国的に減少の方向であり、広島大学の山崎教授の試算によれば、平成30年から31年あたりにピークを迎え、あとは減少の一途をたどることになっています。

 大量退職の波は終わりつつあり、これからは少子化の影響をもろに受けていくこととなるようです。

 このような状況下で、教員養成大学・学部の組織や体制についての対応策としては、次の可能性が挙げられています。
●各地域の今後の教員需要の推移等に基づく入学定員の見直し
●県内あるいは県外の国公私立大学との連携・集約による機能強化
・一部教科の教員養成胃機能の特定大学への集約
・共同教育課程の設置等の連携・協力
・総合大学と教員養成単科大学、複数の教員養成単科大学同士、総合大学の教員養成学部同士などの、大学間の教員養成機能の統合

 報告書からは、教員養成大学等の入学定員の見直しや、他大学等との統廃合が起こる可能性が高いと読むことができます。

 この問題に関して、21日(木)に本学において、文部科学省高等教育局大学振興課教員養成企画室長の柳澤好治氏を講師に迎えて講演会が行われました。この報告書の解説とともに、柳沢氏の提案と事前質問への回答が行われました。

(その2に続く)