《教員養成に関する今後の動向と本学改革の方向性は?》(2017年7月2日)


 6月19日に行われた、国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議(第8回)において、以下のような問題点を含め、今後の教員養成大学や附属学校の在り方について、論点があげられています。

国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議(第8回)資料1

国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議(第8回)資料2

 いくつか抜粋します。

●教員需要の減少期を迎えるとともに、新学習指導要領や教員の多忙化等の多様な課題への対応が求められる中、教員養成をリードする国立教員養成大学・学部が果たすべき機能や役割及び全体的な規模の見直しが求められている。

●現在は、学校内外の多様な人材との協力による学校運営など、学校教員に求められる新たな課題に対応した養成の内容やそのための環境整備が十分ではない。

●教員需要の減少や少子化、新たな課題の増加に対応して、国立教員養成大学・学部や附属学校の機能強化及び資源の有効活用の観点から、組織や規模の見直しが求められている。

 ここにもあるように、文部科学省が掲げている「チーム学校」構想等により、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、部活動指導者等の養成は、学校教育を支える意味で、教員養成系大学・学部に突き付けられた重要な課題であり、東京学芸大学、大阪教育大学、愛知教育大学等では、生涯教育課程を一部改組して、学校教員を支援する人材育成の養成課程へと、改革を実行しています。

 また、これらの大学改革は、有識者会議の議論の中で出てくる、教員需要の大幅減少に対処するために(2020年頃から減少し、2030年は冬の時代と想定される)、大学が守るべき「学生定員」維持のための方向性に繋がります。

 (以下議事よりの抜粋)
・現在は、少子化と、年齢の高い教員層の大量退職の一段落により、教員需要の継続的な減少が確実に見込まれる直前期に当たる。すなわち、教員養成をめぐる社会状況は、「在り方懇」の頃よりも厳しいと言える。

 有識者会議はすでに8回目を迎え、教員需要減少の方向性や、少子高齢化の急速な進行、学校教育の在り方等の問題は、以前より継続的に議論されてきており、突然出てきた話題ではないのです。

 このように将来の状況予測が厳しいなか、大きな教員養成単科大学の改革とは真逆の方向へと、寺尾前学長(現副学長)、櫻井前理事(現学長)は、本学経営の舵を取りました。 生涯教育系をすべて廃止し、学生定員を教員養成課程へと移しました。 しかも教員就職率90%以上を掲げています。

 さらに言えば、スクールソーシャルワーカー養成を含め、「チーム学校」構想につながる、改革案が、いち早く教員から提案されたにも関わらず、検討もほとんどないまま、学長・執行部によって却下された経緯があります。

 平成30年度末に講座が廃止される教員組織改変の全学説明会の中で、櫻井学長は、この有識者会議の話題を出して、「学生定員の削減も見込まれる厳しい状況の中、新たな施策が必要」というような説明をされました。

 それに対して教員の方から、 「過去の評議会の中で、将来教員需要減は予測されているのであるから、生涯教育系の廃止はするべきでないと何度も提案してきた。今さら、学長が、そのようなことを言わないでほしい」という趣旨の発言がありました。 また、「我々を取り巻く状況が困難であるなら、教職教育院への参画の意向を問うことなどせずに、教員全員を教職教育院所属にし、一致団結して学生指導に取り組むべきではないか」との提案も、学長から却下されました。

 まったくもって、学長・執行部の掲げる方策は、矛盾だらけです。 櫻井学長、寺尾顧問の大学経営の舵取りは、間違っていませんか? このままだと、本当に沈没してしまいそうで、不安です。