《講座を廃止する案が出ています》(2017年6月12日)


 本学の教育研究を長年担ってきた講座制が、平成30年度末に廃止される予定です。

 学則上に位置付けられた教育研究組織としての講座は、教員が研究を行う主体的な組織であり、同時に学生の教育を担う中心的な組織です。

 講座制が廃止されたのち、すべての教員は、四つの「系」に所属することとなり、これは、本学において教員の研究組織として位置付けられるとのことです。 研究領域に応じて分類された「系」が設置されるそうですが、この分類が正しいのかについても、疑問があります。

 何より問題となるのは、教育と研究の機能を兼ね備えた講座制から、研究のみの機能を有する「系」への変更であり、これは学生への教育と教員の研究を分断することを意味します。 教員が積み重ねた研究を教育に生かすことが本来の大学教育のあり方ですが、なぜそれを分断させるのでしょうか。

 他大学、たとえば筑波大学も、この「系」制度を取り入れ、教員組織を大くくりしていますが、あくまでも教育研究組織としての「系」です。

 本学において、講座廃止後に学生の教育を担うのは、現行とは位置付けを変更され、「教育指導体制」として設置される「教職教育院」となるそうです。 現在の教職教育院が、学則上講座と横並びで設置されている教育研究組織であるのに対し、 新たな「教職教育院」は「教育指導体制」となるようです。学則上での位置づけははっきりしません。

 すべての教員は「系」に属しますが、その中から選ばれた教員が「教職教育院」に所属し、学生指導の責任のすべてを担うことになります。 一方「教職教育院」に属さない教員は、授業は担当しますが、学生指導には副次的に関わるのみとなります。

 このような体制で、カリキュラムや時間割など組めるのか、教育研究に関わる事項が、うまく回っていくのか、甚だ疑問です。

 これらの改革については、教育に関わる重要事項ですので、当然教授会で審議されるべきですが、大学執行部は、教員からの要望を無視し、全学説明会と評議会審議のみで、この案件を決定しようとしています。

 教職協働を声高に叫び、全学説明会を開催されることも結構ですが、教学に関わる重要な審議事項であるはずの議題を、教授会にかけることなく、一方的に決定しようとすることに、反対します。