《博多駅のEki- Visionに本学の宣伝が!》(2017年2月21日)


 博多駅北改札口前の大型Visionで、本学のことが「教員就職者数 九州中国四国1位 国立大学教員養成課程H27.3卒業」と大々的に宣伝されています。ここでは「教員就職者数NO.1」と掲げられていますが、中国四国九州地区の、各国立大学教員養成課程の学生数はそもそもいかほどなのでしょうか。

 中四国九州地区の国立大学教員養成課程の中で、実は本学は毎年もっとも多くの卒業生を輩出しているのです。入学定員そのものが、中四国九州地区の国立大学教員養成課程で、最大の陣容を抱えているということにもなります。本学HPに各大学の教員養成課程の卒業生数が出ています。平成27年のデータから、中国四国九州のいくつかの大学の卒業生数を以下に掲載します。

> 岡山大学 272人 
> 広島大学 183人 
> 愛媛大学 130人 
> 鳴門教育大114人 
> 熊本大  235人 
> 長崎大  235人 
> 福教大  478人

 本学は中国四国九州地区で、確かに教員就職者数は最大ですが、それは学生定員が最多であることに起因するためで、当然です。教員合格率は、他の教員養成課程と比べて高いわけではありません。

 学生定員の多い教員養成大学であることのメリットはもちろんあると考えています。教員養成単科大学であることに加え、学生定員が多いことは、学校教育についても各教科内容についても手厚い教育が行えることが本学の強みであると私たちは考えてきました。27年度28年度卒業生に関して、初等教員養成課程は選修制のもと、専門教科の力を持ち、中高1種免許もほとんどの卒業生が取得している状況でした。

 そのような強みがあったのに、本学は28年度入学生から、多くの教員の反対にもかかわらず、初等選修制を廃止しました。これにより、教科内容を深く学ぶ機会が減ることになり、中高1種免許も取得できなくなりました。

 このほど公表された次期学習指導要領でも専門性の涵養が謳われる中、九州地区を代表して教員養成を担う本学の方向性がこのようなものでいいのか、改めて多くの疑問を感じざるを得ない状況です。

 また、本学は現在、教員就職数90%を掲げ、学生への教員就職への促しはかなり厳しいものがあります。正規採用が無理ならとにかく臨時採用教員になるようにとの学生指導も見て取れる状態です。教育や就職指導のあり方として本末転倒とすら思われます。

 このようにまやかしのデータを使い、九州の玄関口、博多駅の大型Visionに多額の費用を用いて宣伝を行う意味がどこにあるのでしょうか。

Eki-vision