《いったい誰のための「公共事業」? 英語習得院の「成果」》(2016年9月24日)


 寺尾前学長(現教職教育院長)の肝いりで創設された「英語習得院」については、その問題点を何度かお知らせいたしました。「学校現場で英語コミュニケーション能力を身につけた教員の確保が喫緊の課題となっていることを受け、大学独自のカリキュラムに基づく『英語習得院』を平成27 年度から設置した。」というのが、その目的でした。

 一方、この課外活動の煽りを受けたかの如く、今年度からすべての課程の入学生に対して、外国語(英語を含めて)の必修単位が6単位から4単位に減らされ、しかも実質的な授業のコマ数は6コマから2コマに激減させられました。

「英語習得院」はあくまでも課外活動であり、1年間を通して所定の内容を受講した学生には、学長名の入った修了証を出すということでしたが、一体何人の学生が修了証を手にしたのか、全く公開されておりませんでした。

 昨日、教職員組合が法人からの情報開示を受けた結果として、平成27年度の修了者数を掲載したビラが学内に配られました。それによると次の通りだそうです。

受講登録者数・・・374名
修了者数  ・・・ 18名

これが、5000万円近くの費用が投入されてきた「英語習得院」の「成果」です。昨年度は教員の教育研究費が半減されましたが、その減額分に相当する金額を英語習得院につぎこんできたのです。こんなことをしていなければ、授業を未開講にする必要もありませんでしたし、もっと多くの、当たり前の成果が挙がっていたはずです。

 福教大が社会に対して「学校現場で役立つ英語力の強化」を謳い、「日本初」などと大々的に宣伝している課外活動「英語習得院」の実態が、皆様にもおわかりになったでしょう。
 大学執行部は、「初年度だから これから成果が挙がるのだ」などと言うかもしれませんが、英語習得院には構造的な問題が多々あるように思われます(今後詳述します)。
 学生も保護者も文科省も社会も、正課をないがしろにしてこのような組織に今年度以降も大金をつぎ込む予定の大学執行部に対して、激怒するべきではありませんか、今こそ。