《恐るべき想像力の欠如 ~ この人たちに教育は任せられない!》(2016年8月11日)


 

 一言で言って,今回の事態は,現在の大学執行部の恐るべき想像力の欠如が改めて露呈したものであると言えます。一昨年,生涯教育3課程の廃止が議論されていた時,あるコースの学生は,在学生や卒業生数百人分の反対署名を持って,寺尾学長を訪問しました。するとその時の寺尾学長の反応は,廃止に反対する学生の心情を全く慮ることもなく,「新入社員がいきなり社長に直訴などするのか?」「疑問があったら講座の教員に聞きなさい」というものでした。学生を部下扱いすることが大きな間違いですし,仮に部下であっても,こうした対応で組織が円滑に機能するはずはありません。

 一事が万事であり,最近の福岡教育大学の様々な施策は,およそ人間関係の,基本的というより本能的なマナーを欠いた事柄が目につきます。教育研究評議会の議事運営,教授会での圧倒的多数による否決や反対意見の黙殺,情報の非開示,突然の附属学校研修案の提示,教授会での審議拒否……。すべて根は同じであり,人間に対する基本的な配慮,コミュニケーションを欠いた事柄ばかりです。まるで学生や教職員はロボットであり,スイッチを押しさえすれば動くとでも思っているかのようです。実際には,われわれはロボットではなく人間なので,機転が効いて組織が何とか回っている状態なのですが。

 言うまでもなく,教育とは人間を相手にした極めてデリケートな営みです。教育大学は教育の実践者である教育者を養成する場所です。その執行部がこのような状態で,一体いかなる教員が養成されるのでしょうか。われわれが現執行部の退陣を求める根幹の理由は,ここにあります。