《初等教育教員養成課程についての続報です》(2016年7月18日)


 本年より初等教員養成課程の選修制がなくなり、学生の中高免許取得が非常に困難になったことは、すでにお知らせしたとおりです。唯一、中学校教諭2種免許(短大卒で取得可能)のみが、教科の試験後、取得することを認められた学生だけが関連科目の受講を許されることとなりました。

 近隣の大学の教育学部も同様の改革を計画されているのでしょうか。

 学生の通学範囲が重なる佐賀大学は、教育学部に「幼小連携教育コース」「小中連携教育コース」の2コースを置き、以下のように編成します。

 佐賀大学ホームページの情報によりますと、

 「佐賀大学教育学部の特徴の一つは、『学びの連携』を重視していることです。『幼小連携教育コース』『小中連携教育コース』の双方とも、複数の学校種が連携する教育や、小学校高学年の教科担任制に対応して、幼児期から児童期へ、児童期から青年期へと成長していく子どもたちの発達を一貫的で連続性のある学びとして捉えることのできる教員の養成を目指しています。
また、これからの時代に求められる高度な指導力の育成を重視していることも大きな特徴です。確かな学力の形成、小学校段階での英語教育の充実、科学的思考力の育成、ICTを利活用した教育の充実などに対応できる教員の養成を目指しています」

 どの大学も、ミッションの再定義を経ての改革を実行することにおいて、困難や問題を伴うことは想定されます。が、佐賀大学が9年間を一括しての教員養成を考えられたことは、よく理解できることです。なぜなら、ここで重視されている学びの連携は、今年度中に文部科学省に対して中央教育審議会が答申予定の次期学習指導要領中に盛り込まれる内容です。

 小中一貫教育や義務教育学校(子どもの学びを9年間でとらえる)構想は、今後の教員養成を考える上では必須の情報です。

 現状よりはるかに退行した改革を断行して、初等教員養成課程学生の将来のキャリアにも暗雲を投げかける、福岡教育大学執行部による改悪は、厳しい糾弾に値します。