《今年度学長選考会議第1回目の議事録が開示されましたーそこには驚くべき内容が―》(2016年7月10日)


 今年度第一回目の学長選考会議が5月24日に開かれました。その議事録が公開されました。この中で、特に意見書に関して、納得しがたい記載がありますのでご報告します。

 教員有志一同は、3月22日、前学長選考会議に宛てて、寺尾学長(当時)の解任と次期学長選考のやり直しを求めて、要望書を提出いたしました。しかしながら、それに対する当時の学長選考会議喜多議長からの意見書が、3月31日、議長の指示にも関わらず、大学の一方的判断で有志世話人に手渡されないままになっていることは、お知らせしている通りです。

 この意見書については、次期学長選考会議、つまり今年度新しく立ち上げられた学長選考会議に取扱いを一任した、というのが、櫻井新学長の出した答えでした。

 喜多前議長から出された意見書が、今年度の学長選考会議の中で、特にその取扱いについて、どのように議論されたかということについて、我々は注目しておりました。

 意見書については、以下のような驚くべき記述がありました。

 「第12回学長選考会議が開催された3月22日以降,学長選考会議は開催されていない。よって,3月31日付けの「要望書」は委員会の合意文書でなく,喜多氏から個人的な意見をまとめた私文書が発信されたものではないかということを認識しておく必要がある。」

 これは、前学長選考会議の喜多議長から出された要望書(意見書)が、喜多氏の「個人的な意見をまとめた私文書」であるということを懸念する内容です。

 学長を選考する強い権限を持つ、学長選考会議を主催する議長が、「個人的な意見をまとめた私文書」を一方的に大学に発信するようなことがあるとは、まことに信じがたいことです。

 3月22日、学長選考会議後に、喜多議長と複数の学外委員が学長選考会議の意向を有志世話人に伝えてくれましたが、その時の話とも違うということを世話人に確認しました。

 学長選考会議議長からの意見書を、議長の「個人的な意見をまとめた私文書」でありうると記述するこの議事録は、大変大きな問題を孕んでいます。

 そして、なぜこうまでして、意見書を隠し続けるのか。現大学執行部にとって、よほど我々に見られては困る内容が書かれているのか、疑念はますます深まるばかりです。

 学長選考会議からの意見書(要望書)公開についての結論としては、以下のように記載されています。

 「◎結論  要望書は前学長選考会議議長からの引き継ぎ資料として受け止める。情報開示請求への対応については,学長選考会議の責務である学長の業績評価に関係し得る情報であり,率直な意見の交換,意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがあるため,学長の業績評価が終了するまで当面不開示として欲しい旨を大学に伝える。」

 学長選考会議として、意見書(要望書)を「前学長選考会議議長からの引き継ぎ資料として受け止める」と、書かれています。

 このことは、喜多前議長の「個人的な意見をまとめた私文書」でありうる意見書を、学長選考会議が公的な引き継ぎ資料として受け止めたというように読めます。ここに矛盾があるのではないでしょうか。

 また学長の評価に関して、「率直な意見の交換、意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある」ことが意見書の中に書かれているため、情報を開示することができない、というように読むことができます。

 一体どのようなことが書かれているのでしょうか。

 この問題については、さらに発信を続けてまいります。