《櫻井新学長の記者会見について ~ これでは本学の運営姿勢は変わらない!》(2016年4月18,19日)


 今回の地震で被害を受けた方、関係する方々にお見舞い申し上げます。今後の地震の続発も心配です。本学にも熊本や大分出身の学生は少なくなく、今後必要な支援を行っていきます。

 4月14日は、本学にとっても重大な一日でした。午後一時半から櫻井新学長による全学説明会が開かれ(これについては別途ご報告します)、その後、記者会見が開かれた模様です。その内容について、三月来のわれわれ教員有志による学長選考やり直しの要求との関係も含め、15 日の朝刊で次の新聞に記事が出ました。(ネット上には毎日新聞のみのようです)

①西日本新聞:「「改革、教職員の合意を」「教員採用率、90%目標」」福教大・桜井新学長が抱負」
②西日本新聞:「福教大 深まる対立 新学長「最適な人選」教授陣「恣意的運営」」
③朝日新聞:「「教員採用率90%以上に」福教大新学長」
④読売新聞:「優秀な教員を輩出したい 櫻井・福教大学長が就任会見」
⑤毎日新聞:「「教員就職率90%以上に」 櫻井学長が就任会見」

 記者会見で櫻井学長は、次のように語ったとのことです(以下、番号は記事と対応)。それに対するわれわれの見解をいくつかにわけて書いていきます。

 櫻井学長発言:「学内に不満があることは承知している。大学の改革についてコンセンサスを得ながらやっていきたい」(③)「(学長を)投げ出す気はない。中期計画への理解を求めるため、引き続き教職員に説明を続ける」(④)「不満があることは承知している。学内議論を活発にし、コンセンサスを取っていきたい」(⑤)

 様々な「改革」について、教職員に丁寧かつ誠実な説明が必要なのは当然のことです。しかしわれわれが求めているのは、一方的な説明ではありません。教職員の専門的知見を十分に吟味し、取り入れて、改革をより妥当で効果的なものにすべきである、ということです。寺尾前学長のもとでは、一方的な「説明」はなされたとしても、多くの教職員の意見は全く正当に考慮されず、結果教育研究環境の悪化・大学への損失が生じ、そのために解任審査・学長選考見直し要求に至ったのです。櫻井学長の上記の発言は、「説明」すると述べるのみで、教職員の知見や意見が取り入れられるかは疑問です。

 実際、教育研究を審議する教育研究評議会の委員数は今年度から減っていますし、これまでの教員組織からの推薦でなく、学部長推薦となっています。少数者による一方的な決定を説明するだけでは、コンセンサスは得られません。教職員に変化を求めるのなら、執行部がまず姿勢を改めるべきです。

 櫻井学長発言:「改革の内容はこれまでも教授会などで議論してきた。大学を学長派、アンチ学長派に二分しようとは思わない。取り組みをご理解いただきたい」(西日本新聞①)「反対している人を排除することもない」(読売新聞)

 学長選考会議への要望書、署名呼びかけ文書などで記した通り、初等選修制・新課程廃止等の教育組織改編、学部長・研究科長選考方式の変更、教授会規程の変更などの寺尾前学長による改革案は、教授会で議論の末、圧倒的多数の反対により否決されました。このことからすると、「学長派」は圧倒的少数ということになります。教育研究評議会でも疑問や異論が出ましたが、結局当初案の通り実行されています。また、教育組織改編に伴うカリキュラム改訂案については、教授会で審議されていません。その結果、教育研究や学内運営に様々な問題が生じています。

 教授会で審議しないのは論外ですが、審議したとしても、その内容が全く大学の意思決定に影響を及ぼさず、事態の改善が望めなければ不満と徒労感しか残りません。いくら意見を述べてものれんに腕押し、です。そして大学運営から実質的に「反対している人を排除する」ことになっています。多くの教員が排除される状況で適切な大学運営がなされるはずはありません。本当にご発言のようになさりたいのであれば、まずこれまでの運営姿勢を改める必要があります。

 櫻井学長発言:「学長選考会議は学長を選ぶもので、私が意見を言うのはなじまない。意見書は新しい学長選考会議メンバーに渡し、取り扱いがなされると思う」(西日本新聞①)

 これは、本フェイスブックの前の記事でご紹介したように、3月末に学長選考会議から学長に宛てて意見書が提出されたことに言及したものです。

https://www.facebook.com/daigakusaiseifukkyo/posts/662687833869921

 記事では直前で教員有志の「要望書」に言及されているため、この「意見書」を「要望書」と同一視してしまうかも知れませんが、両者は全く別のものです。学長選考会議の喜多悦子前議長は、「意見書」を、「要望書」を提出した教員有志世話人に交付することを指示していました。しかし半月経過した今も、「意見書」は世話人に交付されていません。大学執行部がそれを止めているからです。「学長選考会議は学長を選ぶもので、私が意見を言うのはなじまない」とのことですが、そうでしたら、学長選考会議議長の指示をなぜそのまま実現させないのでしょうか。こうした行動は、果たして教職員のコンセンサス・合意・理解を求める学長として、適切なものでしょうか。やはりこの点でも、われわれは櫻井新学長の運営姿勢に重大な疑問を抱かざるを得ません。

 なお、三紙は、三月下旬に寺尾学長の解任審査及び学長選考やり直しを求めた有志を「一部教授陣」(西日本新聞①②)、「一部教員」(読売新聞)、「一部」(毎日新聞)と記していますが、現時点で署名者は91名に達し、大学教員総数の過半数となっています。全部か一部かと言われれば一部ですが、締め付けのある中で、過半数の教員が体制刷新を求めて態度を明確にしているという事実は、改めて強調したいと思います。

 深刻な被害を生じている地震の翌日にもかかわらず、各紙が紙面を割いて記事にしてくださったことは、本学の現状と今後に対する社会的関心の高さを示しています。われわれは、運営体制の刷新により、社会の関心に応えなければならないとの意気込みを強くしました。