《社会的需要を無視した教育組織の改編 生涯教育課程の廃止》(2016年4月12日)


 福岡教育大学には、生涯教育課程という教員養成以外の課程があり、福祉社会、国際共生、環境教育、美術、音楽、書道といったコースで学生が学んでいましたが、H28年度からその生涯教育課程が募集停止とされました。

 確かに、生涯教育課程については、国立大学の「ミッションの再定義」(文科省と各国立大学がその大学の役割・特性を明確化したもの)においてH33年までに規模の縮小と抜本的改革を求められてはいました。しかし、逆に言えば、H28年度に一気に「募集停止」まで行うものではなかったはずで、地域や卒業生・在学生からの存続要望等も出ており、また抜本的改革の検討も進められましたが、廃止とされました。

 改革案が十分交渉されたとは思えない段階で急に別の案に変更されるなど、不透明な経緯もありました。また、廃止される課程の在学生・保護者・卒業生に対して、大学側が正式な説明は行っていません。それだけでなく、存続の要望を持参した学生に対し、寺尾前学長は、「君は自分が就職した会社の社長に対してそんな行動をするのか」等と述べたということです。

 北海道教育大学、東京学芸大学、愛知教育大学、大阪教育大学では、教員養成以外の課程を残すか改編して維持しています。

 こうした教育組織の改編案に、教授会では反対意見が圧倒的多数となりました(賛成15,反対86,白票12)。しかし、学長指名の役職者が多数となる教育研究評議会では、投票による議決も行われないまま改編案が承認とされ、初等教育教員養成課程は選修のない形になり、生涯教育課程は廃止されることになりました。